-歪みない仮定の話-そこがどこであったのか、いつであったのか、そもそも果たして存在している空間と時間だったのか。
形容しかねる場所。暗闇のような、はたまた白いがらんとした部屋のような。
しかし確かにそこに、一人の少年のような青年と一人の角の生えた少女がいた。
「そうですねぃ…えぇ、分かりますとも」
さえずる様に、ひそやかに、喜悦を含んだ鈴のような声音が響いた。
少女の桜色の唇が微かに動く様子から、それが少女の声だと分かる。
ぼぉん…と低い低い、耳鳴りのような音が重なる。
「まぁたですか…?いつもそうなんですねぃ…」
くすくすと転がるような笑い声。
それはからかうというよりも、もっと近しい…親愛のこもった口調だ。
向かい合って座る少女の肩に力なく頭を乗せている青年の肩がわずかに動いて、また、ぼぉん…と耳で聞き取れる辛うじての小ささで、低音が響いた。
「…えぇ、えぇ…わぁかっていますよぉぅ…」
隣の青年の頭に擦りよる様に、少女は顔を寄せて頷いた。
「いーちゃんはいつだってどこだって、最低な人間ですよねぇ…?」
それはまるで慈悲深い聖母のようなそれで。
「"誰の手を借りる資格も力も無い"と、
"出来もしないことを声高に叫ぶな"と、
"死にたいと思うなら勝手に死ね"と、
そうやって責められたかったんですよねぃ?」
「"ぬくぬくと守られて育ってきたお前に今更何が出来る"と
"捨てる覚悟も無しに足を踏み入れた奴など無様に死ねばいい"と
こうやって罵って欲しかったんですよねぃ?」
青年の赤く細い髪を掬いながら、歌うように少女は語る。
どこまでも喜びに満ちた声で。
「そうして…その人に自分を殺してほしかったんですねぃ?」
青年の肩が小さく揺れた。
それを横目に、嬉しそうに目を細める少女。
「まぁだお友だちを陥れる気だったんですねぇい?」
小さく小さく、しかし逃れられないように耳元で、彼女は囁いた。
「そんな最低ないーちゃん」
「それでも 私は大好きですよぅ?」
そう、と。壊れやすいものを抱くように静かに、柔らかく、少女は白い両腕を青年の背中に回して抱きしめた。
青年の頭が動いて、少女の肩に更に深く顔を埋めて、少女が笑みを浮かべる。
そしてもう一度あの低い囁きが、どことも知れない空間に沁み込むように響いた。
それは深い失望と、心からの安堵の吐息のように。
どうだボンちゃん。こうなったよ。
せめて君が言っていた「まちがいさがし」を聞いてから打ち込もうと思ってたんだけど、
何故か
逆再生しかなくて結局聞いてないんだよ…orz
割と前向きに考えていたらごめんねっ!
でも私、これはこれで幸せな話だと思ってるよ…っそんな上の2人、4月1日にどエライことになってます(´∀`*)
もしお見かけいただけましたらご閲覧くださーい☆ノシノシ
ハートマークにしようか未だ悩んでますよぅ…(笑)
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